■ スパックエキスプレス お客様インタビュー - プライム・オリジンズ

港区新橋の情報処理サービス会社プライム・オリジンズでは、ビル荒らしがきっかけでセキュリティ強化を行い、スパックエキスプレスの自主機械警備システムを導入した。これまでセキュリティに1000万は投資してきたという同社奥田社長に、オフィスのセキュリティ対策についての考えを伺った。


 複数のセキュリティシステムを併用して防犯対策

― プライム・オリジンズ、そしてこのオフィスについてお聞かせください。

港区新橋の7階建てのビル。奥田氏の会社はこの3階と5階に入居している。

プライム・オリジンズは、畜産関係の情報処理サービスを行う会社です。独自ネットワークで全国各地から収集した情報を編集し、データや印刷物にしてお客様に提供します。社員は18名、設立は1999年です。

このビルには99年に会社設立と同時に入りました。ワンフロア1戸の7階建ての雑居ビルで、3階と5階を借りています。3階はメインのオフィススペース、5階は複数台あるサーバーや印刷機などを置いてバックヤード的な使い方をしています。広さは2フロア合わせて84坪です。

― オフィスのセキュリティ対策はどのようにされていますか。

ビルとしてのセキュリティは特にないため、自主的にセキュリティシステムを入れています。

自宅と同様(※)ここでもA社とスパックエキスプレスの複数の警備を併用しています。まず両フロアの入り口に監視カメラを設置して、時間外に入り口に立つとセンターに連絡が行くシステム。これはA社のものです。両フロアの入り口に設置した「入退室管理システム」と各部屋に取り付けた鍵はすべてスパックエキスプレスにお願いしました。

(※)奥田様は、ご自宅の警備もスパックエキスプレスをご活用いただいております。

 

 ビル荒らし被害を機に会社のセキュリティを強化

― 入居当時からこのように厳重なセキュリティをされていたのですか。

いえ、そうではありません。入居時に既存の鍵から防犯性の高いディンプルキーに交換はしましたが、それ以外はセキュリティらしいことはほとんどしていませんでした。

強化するきっかけになったのは、開業2年目の2001年に起きたビル荒らしです。夜中に非常口がバールでこじ開けられ、5階に侵入されました。このときはうちだけではなく、他のテナントも同様の被害を受けました。特に6階の会社がひどかったようです。

― 御社の被害はどの程度だったのでしょうか。

会社には原則として現金を置いていませんので現金被害はなく、ノートパソコンを一台盗られただけです。廃棄処分するために入り口付近に置いておいたものでした。事件後3〜4日たって気づいたぐらいですから、被害としてはたいしたものではありませんでした。

しかし、これをきっかけにオフィスのセキュリティについて真剣に考えるようになりました。

― 泥棒の被害に遭うことで、奥田様が最も恐れることは何ですか。

私たちの仕事はデータが財産ですので、システムまわりをいたずらされることを一番恐れますね。自社のものだけでなくお客様からお預かりしているデータもあります。

システムは、泥棒にとっては金目のものではありません。入ったはいいけれど盗るものがないということで、腹いせにネットワーク等を破壊されてシステムが止まってしまったりしたら最悪です。

これまでネット上のセキュリティに関しては細心の注意を払ってきました。特にデータのバックアップには独自のシステムを組むなど万全を期しており、ネットセキュリティに関しては自信がありました。

しかし、このビル荒らしの一件で、オフィスの物理的なセキュリティにも投資をしなければいけないと思うようになりました。

 

 鍵を作った縁でスパックエキスプレスに防犯相談

― それでまずどうされましたか。

まず知人に紹介を受け、セキュリティ大手A社の警備システムを入れました。しかしそれだけでは不安なので、さらに強化する施策はないかとスパックエキスプレスに相談しました。

― スパックエキスプレスはどのように知りましたか。

オフィス内の各部屋はすべて施錠。宅配便などの応対もこのように個室のような状態で行われる。

スパックエキスプレスの「カギの特急便」は会社から歩いてすぐのところにあります。このビルに入ったときに入り口の鍵をディンプルキーに交換してもらったのもスパックエキスプレスです。

セキュリティもやっていると看板に大きく書いてあることを思い出して問い合わせをしました。すぐに担当の小関さん(弊社営業小関)が会社の状況を見に来てくれました。

― どんなセキュリティシステムを依頼したのですか。

まず自主機械警備システムです。鍵の種類は最初テンキー、次に磁気カード、そして現在は非接触式のICカードと、新しいシステムが出るたびにバージョンアップしています。

さらに2年前、ICカードにしたときに同時に入退室管理システムを入れました。これは、画像付きのインターホンで顔を確認してから解錠するものです。社員証が認識カードとなり、入退室の履歴がすべて取れるようになっています。入るだけでなく退室の際にもカードをかざさないと部屋から出られません。

 

立ち入り禁止ボード、警備シール、鍵、入退室管理システムなど、第三者の侵入を防ぐあらゆる工夫を施してある入り口。この他、天井には監視カメラがあり、入り口のドアは、警備システム稼働中に衝撃を与えただけで反応するショックセンサーがつけられている。

 

 雑居ビルのセキュリティは自衛が必要

― ご自宅と会社、ともにA社とスパックエキスプレスのシステムを併用されています。なぜでしょうか。

理由は二つあります。

まず複数の異なった警備システムを組み合わせて仕組みを複雑化し、泥棒に手の内を見せないようにするということが一つ。

もう一つは、雑居ビルのセキュリティはA社だけではカバーしきれないと思うからです。一言でセキュリティ会社と言っても、各社で考え方が違います。たとえばA社は「私が守ってあげます」という考え方から来るシステムであるのに対し、スパックエキスプレスは「自分の身は自分で守ろう」という考えに基づくシステムです。

ビル自体が警備で守られているインテリジェントビルであれば、スパックエキスプレスの出番はないかもしれません。しかしここのように雑居ビルで、ビル側から提供する警備サービスがない場合には何らかの自己防衛策が必要です。そういう場合にスパックエキスプレスの「自主機械警備システム」はぴったりです。

このように複雑なセキュリティをしていると、来社される方に、「ここまでやらなければならないの?」とか「そこまでやらなくても!」などと言われることがあります。しかしそれは泥棒被害に遭ったことのない人の台詞です。盗られたものこそ何もないですが、一度入られると常に精神的な不安があります。

ビル荒らしの侵入口となった非常階段まわり。鍵をテンキー式にし、警備ランプも設置している。

 

 セキュリティへの投資は「顧客サービス」の一環

― 奥田様はこれまでセキュリティにどれぐらいコストをかけられましたか。

会社と家、すべて合わせると1000万円ぐらいでしょうか。会社の資産の中でセキュリティ設備はかなり大きな割合になっています。リースは使わず銀行融資を活用し、A社もスパックエキスプレスも機材はすべて買い取りにしています。

ランニングコストもかかっています。幸いスパックエキスプレスは月額費用のかからないシステムですが、A社の警備は2フロア合わせると月額7万円近くになります。

― セキュリティにどこまでコストをかけていいのか判断に迷う経営者の方も多いと思います。奥田様のセキュリティコストに対する考え方をお聞かせください。

「セキュリティにお金をかけることは顧客サービスの一つだと思っています」と語る奥田社長。

やってやりすぎることはない、というのがセキュリティだと思っています。「コストをかけ過ぎてしまった」と後悔することはなく、逆に泥棒が入った時に「もっとちゃんとやっておけばよかった」と思うものです。そういう意味ではセキュリティは保険と一緒かもしれません。

ただ、保険はよく「安心を買う」と言いますが、セキュリティはちょっと違うと思います。私は、セキュリティにかけるお金は、顧客サービスの一コストだと思っています。

というのは、会社に何かあったら、企業としてお客様へのサービスを継続できません。「会社を守る」ということは、会社が行うサービスを受けるお客様を守るということにつながります。

「何かあったら困る」のは、会社だけではなく、自宅であっても同じです。経営者や社員の家に泥棒が入り、財産を盗られたり家族が傷付くことにでもなったら誰だって仕事どころではありません。

会社も家庭も安全に守られているというベースがあって初めて、企業は良いサービスを提供できるのではないでしょうか。

 

 民間がセキュリティ対策をすることの意味

― ところで、リースはお使いにならないとのことですが、差し支えなければその理由を教えてください。

セキュリティ設備は泥棒とのおっかけっこのようなものですから、そう寿命が長いものではありません。2〜3年たって、もうこのやり方は効力がない、ということもあるでしょう。そういうときに5年のリースを組んでいたら不自由です。それならばその都度銀行と相談して融資を受け、買い換えていったほうがいいというのが私の考えです。リースと違って、銀行融資は繰り上げや繰り延べ返済ができますから。

もちろん、これはあくまで私の考え方であって、リースのほうが便利と思う方もいるでしょう。しかしどんな支払い方法にせよ、セキュリティにかかる費用が重いことに違いはありません。このようにお金をかけて自衛しているのだから、行政は何か優遇措置をしてほしいと最近切に思います。

― 優遇措置とは。

泥棒が入れば警察が動きます。ビル荒らしの際は、警察の鑑識官や刑事の方が多数来られ、自宅で空き巣に入られた時もパトカー2台に警察官5名がかけつけて現場検証をしてくれました。そういった費用は当然税金です。

個人でも法人でも、民間がセキュリティ設備を入れて自衛し、防犯環境を作っていれば、行政はそこにお金を使わなくてすみます。その分減税なり助成金なりを出してもらいたい、という要求は、決して無茶なものではない筈です。一生懸命お金と智恵を使って防犯対策を行っている者にとっては、金額の多い少ないではなく、何かしらのアクションをしていただけたらなと思います。

 

 今後のセキュリティサービスの「あるべき姿」とは

― 盗難事件が増加しているにもかかわらず、奥田様のように防犯意識の高い方はまだ少数です。これからセキュリティサービスがもっと一般的になっていくには何が必要だと思われますか。

最近は防犯グッズをホームセンターなどで売っていますが、防犯関連のものを家庭用品などと同列で売るのはかえってマイナスだと思います。たとえばダミーカメラなどは、泥棒側に手の内を見せてしまっているわけで意味がありません。逆に「こういう防犯ならやっても一緒じゃないのか」と思う人が増えて、セキュリティそのものを軽視する風潮になるのではと危惧します。

やはり防犯設備は既製品をそのまま使うのではなく、建物に合ったものをプロに提案してもらうのが一番良いと思います。ただ、カスタマイズにはコストがかかりますから、そこはセキュリティ業界の方に工夫をしていただいて、安価でかつ信頼性の高いサービスを提供していただければ非常に需要があるのではないかと思います。

― 最後に、スパックエキスプレスへの今後の期待などあればお願いします。

高齢者の一人暮らしが増えている昨今、セキュリティは「家を守る」から「人を守る」時代になっていくでしょう。誰もがより安心して生活ができる社会を築くために、セキュリティ会社は力を合わせてますます発展していってほしいと思います。スパックエキスプレスにはその先鋒となって活躍してくれることを望みます。大いに期待しています。

 




※取材日時:2009年3月